wizSafe Security Signal 2026年4月〜6月 観測レポート

本レポートでは、2026年4月から6月に発生した観測情報と事案についてまとめています。

目次

DDoS攻撃の観測情報

本項では、IIJサービスやバックボーンなどでIIJが対処したDDoS攻撃のうち、IIJ DDoSプロテクションサービスで検出した対象期間中の攻撃を取りまとめました。

攻撃の検出件数

対象期間における、DDoS攻撃の検出件数を以下に示します。

DDoS_202607_Bar_1
DDoS攻撃の検出件数(4月)

2026年4月に検出したDDoS攻撃の総攻撃検出件数は466件であり、1日あたりの平均件数は15.53件でした。期間中に観測された最も規模の大きな攻撃では、最大で約16万ppsのパケットによって1.52Gbpsの通信が発生しました。この攻撃は主にTCP ACK Floodによるものでした。また、当月最も長く継続した攻撃は8時間2分にわたるもので、最大で921.98Mbpsの通信が発生しました。この攻撃も主にTCP ACK Floodでした。

DDoS攻撃の検出件数(5月)
DDoS攻撃の検出件数(5月)

2026年5月に検出したDDoS攻撃の総攻撃検出件数は365件であり、1日あたりの平均件数は11.77件でした。期間中に観測された最も規模の大きな攻撃では、最大で約161万ppsのパケットによって15.8Gbpsの通信が発生しました。この攻撃は複合的な攻撃手法が用いられており、主にTCP ACK Floodによるものでした。また、当月最も長く継続した攻撃は17時間16分にわたるもので、最大で16.14Mbpsの通信が発生しました。この攻撃は主にTCP SYN Floodでした。

DDoS攻撃の検出件数(6月)
DDoS攻撃の検出件数(6月)

2026年6月に検出したDDoS攻撃の総攻撃検出件数は332件であり、1日あたりの平均件数は11.07件でした。期間中に観測された最も規模の大きな攻撃では、最大で約246万ppsのパケットによって約873.93Mbpsの通信が発生しました。この攻撃は主にTCP SYN/ACKを用いたAmplification攻撃でした。最も長く継続したのもこの攻撃であり、約19分間継続していました。

不正アクセス通信の観測情報

本項では、IIJサービスで検出した当月中の不正アクセス通信を取りまとめました。

IPS機器における攻撃検出

対象期間における、正規化した攻撃検出件数と攻撃種別トップ10の割合を以下に示します。攻撃検出件数の正規化は、対象期間において最も多く攻撃を検出した日付の件数を1としています。

正規化した攻撃検出件数(4月)
正規化した攻撃検出件数(4月)
攻撃種別トップ10の割合(4月)
攻撃種別トップ10の割合(4月)
正規化した攻撃検出件数(5月)
正規化した攻撃検出件数(5月)
攻撃種別トップ10の割合(5月)
攻撃種別トップ10の割合(5月)
正規化した攻撃検出件数(6月)
正規化した攻撃検出件数(6月)
攻撃種別トップ10の割合(6月)
攻撃種別トップ10の割合(6月)

4月及び5月に最も多く検出されたシグネチャはRealtek Jungle SDK Command Injection Vulnerability (CVE-2021-35394)で、4月は全体の16.71%、5月は11.85%を占めました。4月29日から5月1日にかけて、同一送信元による不特定多数の宛先を対象とした攻撃活動が集中して観測されました。検知された通信の多くはMirai亜種への感染を試みるものであり、この期間に感染拡大を目的とした攻撃が活発化していたものと考えられます。

また、4月・5月共に2番目に多く検出されたシグネチャはAttempt to Read Password Fileで、4月は全体の10.02%、5月は11.80%を占めました。主にディレクトリトラバーサルの脆弱性を悪用し、/etc/passwdへのアクセス可否を調査する通信を多く観測しています。

6月に最も多く検出したのはHTTP: Apache HTTP Server Path Traversal Vulnerability (CVE-2021-41773)で、全体の8.98%を占めていました。当該シグネチャの検知は特定日に偏ることなく恒常的に発生しており、マイニングマルウェアであるRedTailへの感染を狙った通信が観測されました。

また、6月において2番目に多く検出したのはHikvision Web Server Command Injection Vulnerability (CVE-2021-36260)で、全体の8.87%を占めていました。本脆弱性は、Hikvision社製ネットワークカメラに存在する脆弱性(CVE-2021-36260)で、リモートから任意のOSコマンド実行が可能となります。過去に観測された同脆弱性を悪用する攻撃では、busyboxを利用してリモートのNFS共有領域をマウントし、ディレクトリ内にあるシェルスクリプトを実行するペイロードが確認されていました。
一方、6月に観測された攻撃では、一時ファイルに16進数のデータを1バイトずつ書き込むことでペイロードを構築し、完成後にシェルスクリプトを実行する手法を多数観測しました。

攻撃の観測通信パケット
攻撃の観測通信パケット(一部加工)

構築されたペイロードは、busyboxを利用して攻撃者が公開するリモートのNFS共有領域をマウントした上でシェルスクリプトを生成・実行するものでした。

構築されるペイロード
構築されるペイロード

また、マウントしたディレクトリ内にあるシェルスクリプト(b.sh)には同ディレクトリ内のELF形式実行ファイルを実行する処理が含まれており、通信先ドメインや実行ファイルに対する調査結果から、Mirai亜種への感染を目的とした攻撃である可能性が考えられます。

マルウェア脅威の観測情報

本項では、IIJサービスで検出した当月中のマルウェア脅威を取りまとめました。

Webアクセス時における脅威検出

対象期間において、Webアクセス時に検出した脅威種別の割合を以下に示します。

Webアクセス時に検出した脅威種別の割合(4月)
Webアクセス時に検出した脅威種別の割合(4月)
Webアクセス時に検出した脅威種別の割合(5月)
Webアクセス時に検出した脅威種別の割合(5月)
Webアクセス時に検出した脅威種別の割合(6月)
Webアクセス時に検出した脅威種別の割合(6月)

対象期間を通じて検出の傾向に大きな変化はありませんでした。すべての月でHEUR:Trojan.Script.Genericを最も多く検出しています。4月と5月はHEUR:Trojan.Script.FakeCaptchaとTrojan.JS.Agentが検出の2位と3位を占めました。6月のみTrojan.JS.Agentが2位でHEUR:Trojan.Script.FakeCaptchaが3位と順位が入れ替わっています。

メール受信時における脅威検出

対象期間において、メール受信時に検出した脅威種別の割合を以下に示します。なお、当月のレポートから集計方法を変更しています。

メール受信時に検出した脅威種別の割合
メール受信時に検出した脅威種別の割合

4月に最も多く検知したのはVirusのカテゴリで全体の17.82%を占めていました。このシグネチャでは、海外の銀行を騙ったり、コンテナ船及びLNGタンカーの船舶代理店手配や見積を装い、Agent Teslaへの感染を狙ったメールを多く検出しました。

5月にはDropperのカテゴリの検知が最も多く37.44%を占めました。この割合は、4月及び6月と比較してそれぞれ34.64ポイント、35.73ポイント高い値となっています。この増加は”YOU PERVERT, I RECORDED YOU!”という件名のメールが5月21日、22日にかけて顕著に観測されたことが原因です。そのほかにも、発注書を装いマルウェアのダウンローダであるGuLoaderへの感染を狙ったメールも検知しています。

また、6月に最も多く検知したのはPUAのカテゴリで7.45%を占めていました。このシグネチャでは、海運や船舶の寄港に関連する見積を装った件名や添付ファイル名を確認しています。

対象期間に観測された件名に日本語を含むメールにおいて、情報窃取型マルウェアであるFormBookやAgent Tesla、遠隔操作ツール型マルウェアのRemcos RATに感染させることを狙ったものを検出しています(表-1)。以下の情報は一部であり、すべての脅威メールを網羅しているものではない点にご注意ください。

表-1 マルウェアが添付された日本語件名メール
件名 添付ファイル名 感染するマルウェア
【見積依頼】 26000015754604(玉形弁(M20KFGO 250A) 見R 26000015754604_仕様書00_pdf.r00
見R 26000015754604_見積依頼書.zip
FormBook
緊急入札募集 Rayawest TNR-URT-12-26.rar FormBook
Re: 請求書 請求書.rar Agent Tesla
見積書の提出 – 発注待ち 見積書の提出 – 発注待ち.xls.xls Remcos RAT

セキュリティイベントカレンダー

本項では、日本を中心に世界中で発生したセキュリティに関する出来事を取りまとめました。

カテゴリ凡例
セキュリティ事件 脅威情報 脆弱性情報 観測情報 その他
日付 カテゴリ 概要
2026年4月 []
4月3日(金) セキュリティ事件

クラウドファンディングサービスを運営する企業において、同社が使用しているGitHubアカウントに対する不正アクセスが発生し、データベースへの不正なアクセス及び処理が確認されたとのこと。この不正アクセスにより、プロジェクトオーナー及び支援者のものを含む、25万件超の個人情報が漏えいした旨が発表されている。

4月8日(水) セキュリティ事件

複数の不動産会社について、その利用者情報が流出していることが報じられた。ポータルを運営している各社は、自社からの情報漏えいは発生していないことを発表していた。その後、不動産会社向けにサービスを提供する企業が、同社が提供するサービスに対する不正アクセスがあり、データが不正に取得された旨を発表した。

4月13日(月) 脅威情報

フィッシング対策協議会は、国民健康保険料の支払いを求め、QR決済アプリケーションであるPayPayを開くように誘導するフィッシング詐欺について、注意喚起を掲載した。

4月15日(水) セキュリティ事件

大阪国税局が、同局の職員が警察官を名乗る電話に基づき、納税者情報を漏えいしたことを公表した。内容は同職員が担当する税務調査先などの情報であり、同職員の名前を挙げて事件における嫌疑がかかっていると伝え、信じ込ませたとのこと。

4月16日(木) その他

日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)は「企業IT利活用動向調査2026」の集計結果を公表した。セキュリティインシデントに関連するものとしては、機器や記憶媒体の紛失や盗難が最も多く、次にマルウェア感染、人為ミスによる個人情報の漏えいが多いとのこと。特にランサムウェアについて取り上げられており、感染した場合でも身代金を支払わないとする回答が過去調査時よりも増加している。

4月21日(火) セキュリティ事件

奈良県にある病院は、外部からのサイバー攻撃と思われる異常な通信が検知されたため、電子カルテを含む一部システムを停止し、診療制限を行っていることを公表した。その後、初動対応での検知・遮断が機能し、情報漏えい、データ破損、ウイルス感染などは発生していないとのことで、3日後より通常診療が再開された。

4月22日(水) セキュリティ事件

半導体関連部品などを製造する電気機器メーカは、グループの海外子会社がランサムウェア攻撃を受け、一部サーバが暗号化されたことを公表した。その後の調査の結果、外部への情報流出を示す痕跡や二次被害は確認されておらず、現在はシステムの復旧及び再発防止策の実施が完了しているとのこと。

4月24日(金) セキュリティ事件

インターネット関連事業者は、第三者からの虚偽の送金指示により、約11億円の資金が流出したことを公表した。取引先銀行より、不審な送金がある旨の連絡があり、事態が発覚したとのこと。

4月25日(土) その他

X上で、AIエージェントが本番データベースを全削除した事象が話題となった。

4月28日(火) 脆弱性情報

WordPressのホスティングプロバイダであるAnchor社は、WordPressのプラグインであるQuick Page/Post Redirectがバックドアの原因となっていたことを公表した。同プラグインには一時期、WordPress外のWebサイトからアップデートを取得するコードを含んでいた時期があった。この外部のWebサイトから不正なコードを含む同プラグインがダウンロードされたことにより、バックドアが存在する状態となったとのこと。同プラグインは本稿作成時点では、WordPressのWebサイト上にて非公開とされている。

4月29日(水) 脆弱性情報

Theori社のXint Code研究チームは、同社のAIベースのコード分析ソリューションXint Codeを用いて発見した、Copy Failと呼ばれるLinuxカーネルに存在する脆弱性(CVE-2026-31431)を公表した。Linuxカーネルの暗号化関連機能に存在する不具合により、読み取り可能ファイルのページキャッシュの書き換えを行うことができ、これを悪用することで、ローカルの非特権ユーザによる管理者権限の取得が可能になるとのこと。本脆弱性は2017年頃から存在しているため、多くの主要Linuxディストリビューションに影響を与えるとされており、対策として関連モジュールの無効化や修正プログラムの適用などが示されている。

4月30日(木) セキュリティ事件

複数の企業において、内部情報をSNSに公開している事象が確認された。公開されたものは事案ごとに様々であるが、社内資料、ホワイトボード、内部用のシステムなどが、写真としてアップロードされていたとのこと。

2026年5月 []
5月1日(金) セキュリティ事件

バイク用品店は、同社が提供するアプリケーションで使用されているAPIに悪用可能な点があり、第三者の会員データを取得された事象が発生したことを公表した。これにより約318万件の個人情報が漏えいしたとのこと。

5月1日(金) セキュリティ事件

金融系サービスを提供する企業は、同社のGitHubリポジトリが第三者によりアクセスされ、個人情報が漏えいしたことを発表した。漏えいした情報はリポジトリ内に存在していたものであるとのこと。本事象により、同社が提供するサービスの一部が停止するなどの影響が生じた。

5月1日(金) セキュリティ事件

通信サービスを提供する事業者は、外部からの攻撃とみられる通信を確認し、同社サービスの一部機能を停止したことを公表した。その後の調査により、同機能を構成する一部サーバに、第三者による不正アクセスの痕跡が確認されており、当該サーバには、認証ログ(メールアドレス、認証日時)におけるユニークメールアドレス7,446件、契約者がアップロードした電子ファイル4,463件が格納されていたとのこと。現時点で情報漏えいを示す痕跡、外部に漏えいした事実、不正利用などの二次被害は確認されていないものの、情報漏えいの事実を否定できるものではないとして、情報が格納されていた顧客に対しては個別に連絡の上、対応を進めるとしている。

5月1日(金) 脆弱性情報

SAP社は、SAP Cloud Application Programming Model(CAP)及びMTA Build Toolで利用される複数の公式npmパッケージについて、悪意のあるコードが混入したバージョンが公開されていたことを公表した。侵害されたnpmパッケージのバージョンは @cap-js/sqlite 2.2.2、@cap-js/postgres 2.2.2、@cap-js/db-service 2.10.1、及びmbt 1.2.48であり、導入した場合に認証情報などの漏えいの影響を受ける可能性があるとのこと。SAP社は、影響を受ける可能性のある利用者に対して、SAP Noteに記載されている対策の実施を案内している。

5月4日(月) 脆弱性情報

あるセキュリティ研究者が、Microsoft Edgeがパスワードマネージャに保管している全パスワードを平文でメモリ内に保持していることを公表した。本脆弱性はレンダリングエンジンであるChromiumに起因するものではなく、Microsoft Edge固有の問題であるとのこと。Microsoft社は当初はこれを仕様としていたが、後に公開されたバージョンのMicrosoft Edgeで修正された。

5月5日(火) 脆弱性情報

Intrinsec社はWindowsで使用されているディスク暗号化技術であるBitLockerを迂回する、「BitUnlocker」を公開した。本件は2025年にCVE-2025-48804として公開された脆弱性に対する概念実証コード(PoC)である。BitLockerの復号にPINを使用する、Secure Bootの証明書を2023年に公開されたUEFIのCAに切り替える、KB5025885をインストールするなどされた環境では、本PoCは動作しない。

5月6日(水) 脆弱性情報

中国のDisc Soft Limited社は、同社が提供する仮想ディスクドライブツールである、DAEMON Tools Lite 12.5.1のインストーラに意図しないファイルが紛れ込んでいることを公表した。開発環境に侵入を受けたことが原因とのことで、修正版を公開し、問題があったインストーラは非公開となっている。

5月6日(水) その他

ランサムウェア攻撃グループであるThe Gentlemenの、内部チャットログと思われるデータがダークフォーラム上に公開された。

5月8日(金) セキュリティ事件

教育機関は、同校の元職員が過去に在籍していた学生の個人情報の一部を匿名掲示板に投稿していたことを公表した。当該職員は別件で逮捕されていたとのこと。

5月8日(金) 脆弱性情報

あるセキュリティ研究者は、Dirty Fragと呼ばれるLinuxカーネルに存在する脆弱性を公表した。xfrm-ESP及びRxRPCに存在するページキャッシュ書き込みの脆弱性(CVE-2026-43284、CVE-2026-43500)を組み合わせることで、読み取り可能ファイルのページキャッシュの書き換えを行うことができ、これを悪用することで、ローカルの非特権ユーザによる管理者権限の取得が可能になるとのこと。対策として関連するモジュールの削除や各ディストリビューションの修正プログラムの適用などが示されている。

5月11日(月) セキュリティ事件

アプリケーションフレームワークであるTanStackについて、不正なコードを含むnpmパッケージが攻撃者によって公開されていた。公開されたパッケージに問題があることは公開から最大26分で検知され、公開から4時間35分後にはすべての不正なパッケージが非公開となった。また、当該パッケージを従業員が使用していたとして、OpenAI社が情報を公開した。同社がmacOS用に公開しているアプリケーションのセキュリティ証明書に影響が生じることから、6月12日までにmacOS版アプリケーションを使用している場合は更新するよう求めている。

5月11日(月) セキュリティ事件

音楽イベントを運営する企業は、元従業員が取引先に関する個人情報をUSBメモリにコピーし、社外に持ち出していたことを公表した。当該従業員の最終勤務日に、同社が利用するクラウドサービスから多数のファイルをダウンロードし、個人所有の外付けデバイスにコピーしていたとのこと。なお、持ち出した情報は第三者に開示・譲渡されていないとのこと。

5月11日(月) その他

Apple社及びGoogle社は、従来のSMSの後継メッセージングサービスとして、Rich Communication Services(RCS)を提供することを公表した。現時点ではベータ版であり、RCSに対応している通信事業者の、一部のiOS及びAndroidユーザに提供が開始されている。RCSではメッセージがEnd-to-End Encryptionで暗号化されている。

5月13日(水) 脆弱性情報

あるセキュリティ研究者は、Microsoft Windowsに搭載されているディスク暗号化機能であるBitLockerの保護を回避し、暗号化された領域へのアクセスを可能とする、YellowKeyと呼ばれる脆弱性を公表した。Microsoft社は本件をCVE-2026-45585として、5月19日に情報を公開した。本件が公開に至った経緯については、研究者とMicrosoft社で見解が異なっており、Microsoft社の主張が同社が公開したWebページに記載されている。

5月13日(水) 脆弱性情報

V12 Securityチームは、Fragnesiaと呼ばれるLinuxカーネルに存在する脆弱性(CVE-2026-46300)を公表した。XFRM ESP-in-TCPに存在する不具合を悪用することで、読み取り可能ファイルのページキャッシュを書き換えを行うことができ、これを悪用することで、ローカルの非特権ユーザによる管理者権限の取得が可能であるとのこと。対策としてDirty Fragと同様に関連するモジュールの無効化が示されている。

5月14日(木) 脆弱性情報

セキュリティ研究企業は、Apple社の新しいメモリ安全強化機能(Memory Integrity Enforcement)が搭載された、M5シリコン上で動作するmacOSのカーネルメモリ破壊の脆弱性を発見し、Apple社に脆弱性調査レポートを共有したことを公表した。なお、本件はセキュリティ研究者がClaude Mythos Previewを活用することで脆弱性の特定や攻撃コードの開発の成功に至ったとのこと。

5月16日(土) 脆弱性情報

セキュリティ研究者は、Microsoft社が修正済みの脆弱性(CVE-2020-17103)が適切に修正されていない可能性があることを明らかにした。研究者によると5月のアップデートを適用したWindows 11において、当脆弱性を悪用した攻撃の成功を確認しているとのこと。ただし、最新のWindows 11 Insider Preview Canaryのビルドでは攻撃は成功しなかったとのこと。

5月17日(日) セキュリティ事件

将棋界の統括団体は、公式サイトにおいて通常と異なる表示や挙動を確認したため、サイトの公開を一次停止したことを公表した。その後の調査において、外部からの不正な改ざんが行われたことが判明したことが報告されている。なお、当サイトで個人情報の取り扱いはなかったとのこと。同連盟は、暫定処置として仮サイトを設置し、更なる原因調査や正式復旧に向けて対応を進めるとしている。

5月18日(月) セキュリティ事件

大手レコード会社は、昨年発生した同社が運営するECサイトへの不正アクセスに関する調査結果を公開した。調査の結果、氏名、住所、電話番号、メールアドレスなどを含む約310万件の個人情報が流出したことを確認したとのこと。なお、ログイン用のパスワード、クレジットカード情報などはシステム上に保持しておらず、流出は確認されていないとのこと。同社は専用の窓口を設置すると共に対象者への個別連絡や再発防止策の対応を進めるとしている。

5月18日(月) その他

Western Digital社は、今後発売予定の最新のUltraSMRハードディスクドライブに、ポスト量子暗号(PQC)機能を統合したことを発表した。

5月18日(月) その他

国家サイバー統括室は、関係省庁と連携し、高性能AIの発展に伴うサイバー攻撃リスクの高まりを踏まえたサイバーセキュリティ対策の強化についてとりまとめた内容を公表した。重要インフラ事業者や政府機関などに対する対策強化の要請やソフトウェアベンダに対する脆弱性の早期発見・修正の促進など、注意喚起を進めるとしている。

5月19日(火) セキュリティ事件

企業の健康保険組合が運営する大阪の病院は、同院の患者の個人情報が保存されていたUSBメモリを紛失したことを公表した。個人情報には患者ID、氏名、性別、年齢、病名などが含まれる。なお、当該メモリは院外には持ち出しておらず、パスワードで保護されている状態であったとのこと。その後の調査により、同院内で紛失したUSBメモリの発見し、情報の不正利用の事実も認められなかったと報告されている。

5月19日(火) 脆弱性情報

V12 Securityチームが、PinTheftと呼ばれるLinuxカーネルにおける、ローカル権限昇格の脆弱性情報を公表した。本脆弱性はLinuxカーネルでは修正済みであり、ディストリビューションごとに更新パッケージも順次公開されている。

5月20日(水) 脅威情報

GitHub社は、悪意のあるVS Code拡張機能を経由して従業員端末が侵害され、GitHub内部リポジトリに対する不正アクセスが発生したことを公表した。同社によると、攻撃者は3,800弱のGitHub内部リポジトリに影響を及ぼしたと主張しているとのこと。なお、現時点では顧客への影響は確認されていないが、影響が確認された場合は通知するとしている。また、同社は予防措置として、GitHub Enterprise Serverの署名キーをローテーションしており、該当製品の利用者に対して、今後のバージョン更新などを可能とするため、インスタンス内のGPG公開鍵をローテーションするように案内している。

5月21日(木) セキュリティ事件

サイバーセキュリティを研究するグループは、GitHubのオープンソースリポジトリを大規模に標的としたMegalodonと呼ばれるサプライチェーン攻撃が発生していたことを明らかにした。攻撃者は、情報窃取型マルウェアによって窃取されたものとみられるGitHubの認証情報を悪用し、約6時間の間に約5,700件の悪意あるコミットを実行していたとのこと。これにより、5,000を超えるGitHubリポジトリに不正なGitHub Actionsワークフローが挿入され、CI/CD環境内で利用される認証情報やシークレット情報の窃取が試みられたと報告されている。攻撃の背景として、サイバー犯罪組織であるTeamPCPが利用していた攻撃フレームワークのソースコードが公開されたことにより、今回のような大規模な攻撃の発生に繋がった可能性が指摘されている。

5月22日(金) セキュリティ事件

電子書籍を販売する企業は、同社の電子書籍システムに対する、外部からの不正な自動アクセスによるクローリングなどのデータ取得行為を検出したため、システムやコンテンツの安全性を確保することを目的とし、一部サービスを停止し、緊急メンテナンスを実施した。なお、本事案における会員情報、パスワード、クレジットカード情報などの個人情報の流出はなかったとのこと。

5月29日(金) セキュリティ事件

ある自治体が、複数の業務用ノートパソコンの盗難及び個人情報の漏えい可能性があることを公表した。盗難に遭ったパソコンの数台には、氏名・住所・生年月日などを含む約11万件の個人情報が含まれており、うち112件には電話番号、メールアドレス、口座番号も含まれていたとのこと。本件は自治体のヘルプデスク業務を受託していた事業者の社員による、パソコンの転売を目的とした窃盗であったことが判明している。

2026年6月 []
6月2日(火) セキュリティ事件

国内の複数の企業が、公開しているWebサイトの一部ページで、外部サービスを経由した不審な認証入力画面が表示される状態になっていたことを公表した。現在は不審な認証画面が表示されないように対処済みであるとのこと。万が一、情報を入力してしまった場合は、入力した情報を使用しているサービスのパスワード変更をするように案内している。

6月2日(火) その他

日本政府は、日本政府と一部金融機関がAnthropic社のClaude Mythos Previewへのアクセス権を取得したことを公表した。

6月3日(水) セキュリティ事件

愛知県にある大学病院は、同院の看護師の個人用PCがサポート詐欺の被害に遭い、当該PCに保持されていた患者の個人情報が外部に漏えいした可能性がある事案を発見したことを公表した。対象の個人情報の総件数は1,365件であり、氏名、性別、生年月日、患者ID、病名、転帰、入退院日、検査データのうち、複数の項目を含む情報が漏えいした可能性があるとのこと。なお、現時点においては、情報の不正利用や同院の医療情報システムへの影響は確認されておらず、対象となる患者への報告や個人情報保護に関する教育研修などの再発防止対応を進めるとしている。

6月4日(木) セキュリティ事件

デジタルコンテンツを提供する会社は、同社システムへの不正アクセスが発生したことを公表した。漏えいした可能性のある情報は、氏名、住所、電話番号、メールアドレス、個人番号(マイナンバー)などであり、詳細な対象者や件数は調査中であるとのこと。漏えいの原因としては、不正アクセスにより社内のポータルシステムで利用している同社のクラウドストレージの認証情報が窃取され、社内情報を持ち出された可能性が高いことが判明しており、同社は対象者への案内や再発防止対応を進めるとしている。

6月5日(金) セキュリティ事件

Meta社が米州司法に提出したインシデント通知書により、同社のInstagramのAI支援型アカウント復旧システムに脆弱性が存在していたことが明らかになった。第三者が本脆弱性を悪用することで、所有していないInstagramのアカウントのパスワードリンクを受け取ることが可能になり、二段階認証が有効化されていないアカウントへの不正アクセスが可能であったとのこと。不正アクセスされた場合、対象のInstagramのアカウントにおいて、連絡先情報、生年月日、投稿、コンテンツ、ダイレクトメッセージ、プロフィール情報などの個人情報へのアクセスされる可能性があったこと。

6月8日(月) セキュリティ事件

ITサービスを提供する会社は、同社が運営するポイントサービスのシステムに不正アクセスが発生したことを公表した。現時点で顧客が保持するポイントの不正利用などは確認されておらず、原因究明やサービス再開に向けた対応を進めているとのこと。

6月8日(月) セキュリティ事件

大手電力会社は、一部システムのバックアップ用の外部記憶媒体を紛失したことを公表した。紛失した媒体には、需要者名、供給場所住所、使用電力量データ、電話番号、小売電気事業者名など最大1,090万口分の顧客情報が保存されており、社外への漏えいの可能性がある。なお、銀行口座及びクレジットカードの情報は含まれておらず、現時点で顧客情報の流出は確認されていないとのこと。同社は、外部記憶媒体の所在確認、対象顧客への案内及び再発防止策の検討実施を進めるとしている。

6月9日(火) 脆弱性情報

セキュリティ研究者は、RoguePlanetと呼ばれるMicrosoft Defenderに存在するゼロデイの脆弱性を公表した。本脆弱性は、6月の更新が適用されているWindows 10及びWindows 11にも存在しており、悪用された場合に、SYSTEM権限を取得される恐れがあることが示されている。

6月9日(火) その他

Anthropic社は、新たなAIモデルClaude Fable 5及びClaude Mythos 5を公開したことを公表した。Claude Fable 5は一般利用者に向けて安全性を確保したMythos級のモデルであるとのこと。またClaude Mythos 5はClaude Mythos Previewのアップデート版で、Project Glasswingを通じてサイバー防衛担当やインフラ提供者などの限定された範囲に展開される、一部安全策を解除した高いサイバーセキュリティ能力を備えるモデルであるとのこと。

6月9日(火) その他

国家サイバー統括室は、G7サイバーセキュリティ・ワーキンググループ宣言文書を公表した。同宣言では、ポスト量子暗号(PQC)への移行、AIに関連するサイバーセキュリティリスクへの対応、電気通信分野及び中小企業のサイバーセキュリティ強化に取り組む方針を示している。

6月11日(木) 脆弱性情報

大手総合電機メーカは、同社の複数の家電製品において、情報漏えい、情報改ざん、削除、破壊、及びサービス拒否(DoS)の脆弱性が存在することを公表した。原因は製品内部にハードコードされた認証情報にあり、悪用された場合、当該製品の保持する運転情報や温度情報などの窃取や、Wi‑Fi通信機能の停止などの影響を受ける可能性がある。なお、当該製品は個人情報などの機密情報は保持していないため、それらの情報が漏えいする恐れはないとのこと。同社は、本脆弱性の影響を受ける製品の確認方法や対策の実施を案内している。

6月12日(金) その他

Anthropic社は、Claude Fable 5及びClaude Mythos 5に対する米国政府の輸出規制指令を受け、当該モデルへの全ユーザのアクセスを一時停止したと公表した。指示書簡には具体的な説明は示されていないものの、同社の見解では、モデルの安全対策を回避するジェイルブレイク手法が確認されたことが措置の背景であると考えられるとのこと。同社は、この手法によって確認された脆弱性は既知かつ軽微なものであると説明しており、早期に復旧できるように努めるとしている。

6月19日(金) セキュリティ事件

複数の教育機関は、同機関が公開しているWebサイトが改ざんされ、意図しない外部サイトへ不正に転送される状態となっていたことを公表した。現在、改ざんされたページは閉鎖しており、個人情報や機密情報などの漏えいは確認されていないこと。同機関は、今後セキュリティ対策の強化を進めるとしている。

6月23日(火) セキュリティ事件

大手通信事業者は、6月17日に確認されたISP事業者向けメールシステムへの不正アクセスについて公表した。サードパーティ製ソフトウェアの未認識の脆弱性が悪用されており、同日に被害拡大防止のためのシステム改修を実施したとのこと。その後の調査により、メールアドレス約1,223万件及びパスワード約761万件の漏えいが確認された。同事業者は、対象利用者のパスワード変更対応や再発防止策を進めている。

6月24日(水) セキュリティ事件

電機製品の製造・販売を手掛けるメーカは、海外子会社が第三者による不正アクセスを受け、ランサムウェアによる感染被害が発生したことを公表した。現時点において、個人情報や機密情報の外部流出の事実は確認されていないが、流出の可能性も含めて調査中とのこと。

6月24日(水) セキュリティ事件

食品・飲料などの製造・販売を手掛けるメーカは、海外グループ会社2社のシステムが不正アクセスを受けたことを公表した。サイバー攻撃の恐れがある不正な通信ログを検知したことから調査を行った結果、不正アクセスが判明したとのこと。関係するシステムや機器を遮断しており、情報漏えいの事実や影響範囲は確認中としている。

6月24日(水) その他

Microsoft社は、欧州刑事警察機構(Europol)及び業界パートナーと協力し、StealCやAmadeyといったマルウェアの活動基盤を形成していた200台以上のC2サーバを停止したことを公表した。

6月26日(金) セキュリティ事件

防衛省は、陸上自衛隊中部方面総監部で使用していたUSBメモリからマルウェアを検知した事案について明らかにした。調査の結果、システムへの影響や情報流出は確認されていないとのこと。防衛省・自衛隊では、USBメモリの調達時にサプライチェーンリスクを考慮した安全性確認や使用時のウイルスチェックを実施することとしているが、本事案ではウイルスチェックの規則が遵守されていなかったため、その徹底を図ると共にUSBメモリの取得経緯についても改めて調査を進めているとのこと。

6月30日(火) セキュリティ事件

生命保険などを販売する会社は、同社の契約者専用サイトなどのシステムが第三者による不正アクセスを受け、顧客約438万人及び代理店約4万店に関する個人情報が漏えいしたことを公表した。顧客の漏えいした個人情報は、氏名、住所、電話番号、証券番号、保障内容、保険料振替口座情報などとのこと。うち、保険料振替口座情報が含まれる顧客は約23万人とのこと。同社は、不正アクセスを遮断すると共に関連システムを停止し、原因調査及び復旧対応を進めている。​‌

6月30日(火) その他

Anthropic社は、Claude Fable 5及びClaude Mythos 5に対する輸出規制が解除されたことを公表した。ユーザ向けのアクセスについては順次再開していく予定とのこと。

おわりに

この観測レポートは、いまインターネットで起こっている攻撃などの状況を提供することで、読者の皆様により良い対策を実施いただけることを目的として公開しています。お客様の特定につながる一部の情報などは除外していますが、本レポートに記載の内容は多くのお客様における傾向から作成しています。対策の推進にご活用いただければ幸いです。